香港女子旅研究所。

香港好きの日記。内容は事実関係を含めてまあまあ曖昧かつ適当です。

【スポンサーリンク】

老舗洋食店で香港映画のような夜を。佐敦・油麻地「太平館餐廳 Tai Ping Koon Restaurant」

f:id:chihosawa:20181124115612j:plain

 

1.香港のディナーに「洋食」という選択肢。

ご縁あり、前から憧れていた「太平館餐廳 Tai Ping Koon Restaurant」に行くことができました。「太平館餐廳」といえば、香港の古き良き洋食店

香港行くと「香港らしいものを」と夜ごはんの選択肢が広東料理中心になりがちだけど、これもすごく香港らしい体験だったので紹介します。

いざ、店内へ。

f:id:chihosawa:20181124115626j:plain

2.「太平館餐廳 Tai Ping Koon Restaurant」はどんな店?

1860年創業の老舗洋食店です。1860年!!? その歴史の深さにびっくり。発祥は広州だそう。ここの名物はなんといっても「スイスチキン」です。甘辛い鶏手羽料理としていまや茶餐廳の定番メニューのようになっているので私も他で食べたことはある。でもこちらが元祖であるらしいと聞いて、一度食べてみたいと思っていました。

まずは、予約!

実はすぐ近くに泊まっていたので、歩いて店に予約しに行きました。アナログ。開店直後の時間帯、タキシードの給仕係のおじさんたちが、忙しく立ち働いていました。

私「あのー…今夜予約したいんですけど、20時で入れますか」

おじ「20時はだめだ。19時ならいいよ」

私「19時だと同行者が無理なので、19時半は?」

おじ「じゃあ19時15分でどう?」

で、19時15分になりました。何のセリだ。

さらに「ちょっと遅れるかもだけど、必ず来るから!」と言って帰りました。もうそれ19時半ってことじゃないか。もちろん確信犯ですけど。

3.「太平館餐廳 Tai Ping Koon Restaurant」は内装もごちそうです。

とりあえず15分押しくらいで到着。結局19時半だ。

入る時、地元の老婦人が杖をついてらしていて、手を貸そうと思ったんだけど、周りのご家族が「いいのよ」と。すると店内から馴染みの給仕係が出てきて、皆でそのゆるやかな歩みを見守りました。

足が悪くなっても来たい、いつもの店があるっていいね。

f:id:chihosawa:20181124115607j:plain

店内は大好きな映画「花様年華」の中で洋食を食べるデートシーン(雑な表現)を思わせるムード。そのロケ店はまた別(そして今はないの)だけど。昔なじみの裕福な地元の常連さんが来ている印象を受けました。

香港スターも来るらしいですよ奥さん(小声)。

f:id:chihosawa:20181124115559j:plain

香港島側のキラキラとはまた違う、派手ではないけど豊かな人たちが多い。

育ちのいい人たちが二世代、三世代と通う洋食店、日本でもありますね。

f:id:chihosawa:20181124115554j:plain

テーブルセッティングの様式美。

メニュー選びは、お店の人と相談しながら「これは?」「これはどんな味?」と時間をかけて選びました。が、ボリューム満点で少人数ではそう多くは食べられないので、今回は厳選して。3人以上でシェアすると色々食べられそう。(ハーフポーションはできません)。

4.名物スイスチキンと、今回食べたもの。

f:id:chihosawa:20181124115612j:plain

まずは、カレー!

すごい量。ビーフカレーです。スパイスたっぷりで香味が豊かだけれど、辛さはほどほど。で、ほっとする素朴さもある。これぞまさに香港カレー。皆でわけわけして食べるといいですね。ごはんよりルーが多い。

f:id:chihosawa:20181124115617j:plain

そして来ました。名物のスイスチキンウィング

そのまま「瑞士鶏翼」と書くのですが、スイス風とかそういうことではなく、これを食べて「Sweet!」と言った外国人の言葉を「スイス?」と聞き間違えたことからこの名がついた…というエピソードはつとに有名です。

本当なのか。ここの店員さんは英語が流暢ではないから、わからなくもないけど。

肝心の味ですが、今まで食べたスイスチキンと全然違いました。

どっちがいいというより、調理法が違うかんじです。街の茶餐廳で食べるスイスチキンは油に通した鶏手羽を甘辛タレにからめた感じ。でもこちらのは長時間煮込んだ「煮込み料理」というかんじ。ほろっとした食感と、脂身のとろけ具合がたまらない。とろとろに煮込んだ角煮の鶏バージョンみたいなかんじ? でももっとさっぱりしています。

5.元祖にふれるって「元ネタ」を知ること。

今まで何度となく街の「スイスチキン」を食べてきたけど、本家を食べられてよかった。

というのも最近の自分の行動キーワードが「元ネタにふれる」だからなのですが。

いまの時代に人気があるものは、100%新しいものではなく、どこかしら前の時代の創作から影響を受けている。だからこそ元祖とか本家とかの元ネタにふれると、今ある物のこともちゃんと理解できる気がする。

このスイスチキンを食べることで「なるほど。これがこうしてああして、茶餐廳の味になったかー」と面白かったです。

 

f:id:chihosawa:20181124115631j:plain

帰り。

路地裏なのにひっきりなしに出入りがあるので、人のない写真が撮れない!というわけで紳士入り。誰。

f:id:chihosawa:20181124115621j:plain

名物メニュー一覧。店内のメニューに写真はないので入り口でこちらをチェック。

いつまでこのまま存在するのかわからないけど、今も元気な老舗店です。おいしいし、美しいし、温かいし、なんて素敵な店なんだろう。最先端も庶民派グルメも充実の香港だけど、たまにはこんな古き良き洋食でレトロな香港に浸るのもいいな。

 【追伸】

それはそうと最近スリランカに行って来ました。

スリランカ人とたくさん話して(文化とか歴史とか政治とか…)、色々と見聞きして、びっくりするほど楽しませてもらいました。反面、日本語のスリランカ情報ってまだまだ偏っていることも実感。バックパッカーじゃなくても、世界遺産周遊しなくても、十分楽しめることを伝えたい。

私の「スリランカへなちょこ旅」、忘れないうちに書きたいです。

 

太平館餐廳 Tai Ping Koon Restaurant

九龍油麻地茂林街19-21号

 

 

 

 





にほんブログ村 旅行ブログ 香港旅行へ
にほんブログ村

お問い合わせはこちらからお送りください