記念すべき最初の修行は、正月休みの羽田―伊丹ー神戸ー那覇。
…のはずだった。
兵庫で私の好きな歌劇を観ることになっていたからだ。
しかし。
私の持っている歌劇のチケットが劇団側の都合でキャンセルになった。
そして那覇行きが、年明け早々JAL機の炎上事故があり、羽田のC滑走路が封鎖されたことで予約していた航空便が間引き運転になってキャンセルになった。
いきなりのWキャンセル…。とりあえず、ひとしきり凹む。
なのでひとまずは伊丹の単純往復をすることにした。まじもんの修行僧から見たら、こんなものは「修行」でもなんでもない。
というのも、SFC修行とはPP(プレミアムポイント)を稼ぐ活動だからである。
世の中にはそこらへんに詳しいブログが充実しているのでその構造は有識者のそれを参考にしていただきたいのだけれど、基本的に国内線はPP2倍(海外もオセアニアや東南アジア路線も優遇されているが、時間も大体の場合お金もコンパクトにすむ国内を中心にする人が多い)。
すなわち遠距離の国内線に乗ることがタイパ的にはもちろん、コスパ的にも効率がよい(場合が多い)ということになり、私の最寄りの羽田からだとおのずとそれは沖縄路線になる。でもこのとき沖縄はもうほとんどが満席で、あったとしても正月で超高額。伊丹なんて行っても、修行という言葉には1ミリもかすらないのだ。
それなら今回は全部解約して「後日あたらめて〜」と引き下がるのが得策なのだが、今回かじるだけでもかじって引くにい引けない状況を作っておかないと、私の性格上「まあ来年でいっか」となりそうなので、伊丹までは行くことにした。
大人のSFC修行には、株主優待券が必要だ。
そして修行を早く終わらせるために、PP効率のよいプレミアムクラスを株主優待券を使って乗ることにした。ちょっと安くなるのと、直前まで変更がきくのが、何かとしがらみの多い大人の修行向きだ。もちろん時間も体力もある人はエコノミーで往復するのがお得なのだが、大人にはしがらみにプラスして、時間も体力もない。
結論からいうと、東京―伊丹のプレミアムクラスは、とにかく慌しかった。
すごい急いで食べろという圧を感じる機内食サービスと酒。椅子がゆったりしているのはうれしいけれど、それすらもったいない。スリッパに履き替える時間ももったいない。機内食はお弁当スタイル。ていねいにもカロリーが書いてあり意外にも低カロリーだったが、塩分量は書いていなかった。高度が上がりきってないところで機内食を出されると「しょっぱ!」となるので塩分は相当だろう。
大人の修行旅、2つのルール。
そのようなわけで、この修行では機内食とお酒はなるべく控えることに決めた。
むくみの原因になるし。太るんだろうし…。「飛行機修行は太る」というのは私の偏見だが、おそらく正しいと思う。飲まない食べないで修行する話をしたら「まじの修行だね」と言われた。
もう一つ、SFC修行をする上で私なりのルールを決めた。それは
「現地でも何かを体験すること」。
旅行だから当たり前だけど、さまざまなブログを見ているとコストと時間の面を考えて、単純往復あるいはちょっと空港から出るくらいにとどめる人が多い。でも大人が自分の時間とお金を使うんだから、相応の経験をしたいじゃないか。
ということでコスト面はシビアに考えず、一泊したり、毎回何らかの目的を持って飛行機に乗ることにした。「お金がもったいない!」という声が聞こえてきそうだが、現地を楽しまないほうが私からみたら断然もったいない。あと歩かないと太るし。
この伊丹往復では大好きな街・神戸三宮に泊まって、生田神社に初詣したり冬の味覚「カキのお好み焼き(カキオコ!)」を食べたりした。どうせ家にいても初詣も食事もするので、ぜんぜんもったいなくない。
大人のSFC修行、一往復が終了した。
翌日、微々たるPPがアプリに加算されていた。めちゃくちゃ疲れた。小さいけれど、私にとってははじめの一歩だ。