香港女子旅研究所。

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2022−2023年 コロナ時代の香港旅日記  ⑥香港国際空港キャセイラウンジ「The Pier」と、ラウンジの未来。

ものっすごく久しぶりに、香港国際空港 HKIA のキャセイ・パシフィック航空「The Pier(ザ・ピア)」におじゃました。以前来たときはここがオープンしたとき、オープンから数日とかのときだったと思う。仕事で。

HKIAにはいたるところにキャセイラウンジがあったけれど(過去形)、その半分くらい?はいまクローズしていて、この日開いていたのはここのファースト&ビジネスクラスラウンジだけだったように思う。

ここはターミナル1の65番ゲートの近く。

イミグレから電車に乗ってさらに歩いて…イミグレを通ってからだと、ゆうに15分くらいはかかる。ちなみに私が行った2022年末現在、減便などの影響によりこの60番台から飛ぶ飛行機はほとんどなかったのです。それでも行く価値があるのか、そしてこれからのラウンジに求められるものってなんだろう。

そんな視点で、あらためてその存在を紹介してみたいと思います。

【The Pierの空間について】

まずデザイナーはイギリスのイルゼ・クロフォードさんのチーム「スタジオイルゼ」。

www.studioilse.comイルゼさんのアーカイヴはここから見ることができます↑

いままでキャセイといえばHKIAそのものをデザインしたフォスター+パートナーズの手による空間が多かった印象だけど、ここは違う人なんですね。ていうかキャセイに限らずフォスター卿が大好きな香港。古き良き英国統治時代のアイコンなのかもしれない。あの頃はあの頃できっとまた別の不満もあっただろうけど、もっと大きな脅威と不満があるいま、英国統治時代が美化されているような気もする。

はいはい、ラウンジラウンジ。ラウンジの話に戻りましょう。

空間はかなり細長いのです。

バー&ラウンジから

ビストロコーナー、

大人気のヌードルバー、

(この緑のタイル張りは、デザイナーのWEBサイトのアーカイブにも似た意匠があったりします)

そしてティーラウンジ。

…までが一直線につながっています。

そういうハード面はコロナ前と変わってないけれど、ドリンク&フードはかなりリニューアルされていました。

【焼味にあの看板メニューも…刷新されたフードメニュー】

好きな人には申し訳ないのですが、私は「キャセイラウンジのフードってそんな言うほどおいしいか?」と思っていたりしたんです。前はシャンパン一杯いただいて、おなかすいたらカンタスに行っちゃうみたいな使い方(カンタスはいまはもうないけど某ホテルチェーンが運営しててすごいよくできていた)。

でも今回すごくおいしくリニューアルされていた気がしたので紹介。

おなじみの担担麺

見た目いっしょだけど、これはめちゃくちゃ味が変わりました。前はマイルドクリーミーすぎて「ごまだれめん」みたいな印象しかなかったのですが、香椒がクリーミーさを引き締めてちゃんとピリ辛になってる! 麺もコシがちゃんとあるし。

コロナ中に見直す時間ができたのだろうか?

そして焼味、ローストも新たにオンリスト。

香港のローカルフードだけどノウハウも手間も必要とされるので、よくおいしくできたなーと感動。行ったら食べてみてくださいね。

メニューも載せときます。

前は半島酒店が運営を担当していた記憶があるんですけど、これは運営会社が変わったってこと…?

と思って調べたものの、わかりませんでした!でもこれだけおいしくなったのだから、変わったのかもしれませんね!!?

ってよくある「いかがでしたかブログ」みたいなオチになってすみません。

シャンパーニュは変わりました】

変わったといえば、お酒も変わりました。

いまのべバレッジリスト。

酒飲みにとって一番の注目点は、やはりシャンパーニュの銘柄変更。

長らくモエだったと記憶しているけれど、パイパー・エドシックに変更していました。

「えっ」と思う人もいるかもしれないけど、いまのパイパーは断然品質向上しているのでご安心を。数年前に最高醸造責任者が若い方に変わってからぐっと向上している印象があります。ただシャンパンハウスというのは、実力だけではなくブランドイメージで判断される、つまりイキフンで飲んでるひとも多いので(ショコラやファッションブランドに通じるものがある)、まずは新生パイパーを偏見なしに飲んでもらうことにより人々のイメージが刷新されていくのを願います。

謎のキウイドリンク(ノンアルコール)キャセイ・デライトもあります。
この航空会社と彼らを愛した人たちの思い出とともにある、CX関係者のアイデンティティのような一杯と認識しています。まさにシグネチャー。カロリー高そう。だから離陸前&機内で(不時着に備えて)飲ませるのかな…と思ってしまう。

【アフターコロナ時代のラウンジはどうなる?】

60番台のゲート周りのラウンジはシートにカバーがかかってお休み状態。便数が増えるにつれ再開されるんでしょう↓

そんななかでも、これからのラウンジに求められるものは変わっていくのだろうなと思います。


格安航空会社ユーザーとか空の旅に特別なものを求めない人も増えたし、HKIAのような大きな空港ではレストランも高品質なローカルフード店が続々。ラウンジに入らなくてもおいしいものは食べられるようになりました。加えてオンラインチェックインもあるから昔ほど早めに空港につかなくても大丈夫。ラウンジ滞在時間も自然と短くなるでしょう。

 
一方で富裕層ビジネスは世界的に活況。ラウンジという響きにはこれまで以上の需要があると思います。ファーストクラスラウンジは今後より豪華で優越感を満たすサービスを追求していくことになるはず。例えば三ツ星シェフのフルコースを提供するとかね。だけど通常のラウンジはフードロス問題などもあり最低限でシンプルになっていきそう(ホテルもエコの名のもと、シーツも頼まなければ換えてくれなくなってるし)。そうなるとカードラウンジで十分という人も増えていくかな。それでも航空会社は上級会員の条件を下げるどころか厳しくしている印象もある。

つまり、確実にお金を使ってくれる上位5%の満足を追及するかたちで二極化が進む。

そういう時代の気がしています。

でも結局は自分がどんなスタイルで旅をしたいか。なんだよな。
そう思いながら、全然人のいないスッカスカの動く歩道で20番台のゲートまでの遠い道のりを戻って行ったのでした。

 

続く。

また香港日記に戻ります。

 





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