話題のスポット「大館」の中にできたレストラン「Old Bailey (オールドベイリー 奥卑利)」。小籠包がおいしいとの噂でオープン以来行ってみたかった…のですが、予約が取れないやら、日程が合わないやら。3度目の訪港でようやく来店を果たしました。
「Old Bailey (オールドベイリー 奥卑利)」は小籠包をはじめとする江南料理店です。江南はざっくりいうと、杭州や上海あたりの味のことです。
「Old Bailey (オールドベイリー 奥卑利)」という店名のとおり、店は大館のあるOld Bailey St.沿い。なのですが、とにかく入り口がトリッキーなので要注意。
現在わたくしの持つPC技術のすべてを注ぎ込んで地図で解説しますと(信じてもらえないでしょうが、私は美術の点数よかったんですほんとです)、セントラル駅のヒルサイドエスカレーター方面から来てOld Bailey St.沿いにまず大館の大きな入り口があります。大館のメイン施設にはここから入るのが一般的なのですが、レストラン「Old Bailey」に限ってはここから入るのはよろしくありません(×印のところ)。その先を進んだ監獄入り口(ハートマーク)から入るべし!
これがくだんのメインエントランス。入ってこの景色が広がっていたら間違いです。いったん出るか、あきらめて係員さんの指示にしたがい、ぐねぐねと迷宮を進みましょう。
歴史的建造物の真裏にある「JC CONTEMPORARYビル」に、Old Bailey (オールドベイリー)は入っています。ここまで来るのに私はすでに虫の息…。
やっと店内へ。はあはあ。
ランチのイメージが強かったので、薄暗い照明がちょっと意外な印象でした。しっとり、大人っぽい。日曜の夜、予約はしていったけど、空いておりました。ただ団体のお客さんも多かったので、予約はしたほうがいいでしょう。WEBから簡単にできますよ。
さあさあ、やっとごはんです。
実はこの直前からハッピーアワーが始まったとのことで、そのメニューも見せてもらいました。これ、おそらくお願いしないと出てこないので、飲みたい場合はぜひリクエストを。
16:30〜20:30/7DAYS!
Buy1 Get1 Free!
と、かなり心の広いハッピーアワーです。が、ここに来る道のりで体力を消耗した私にはお酒を飲むことはできず…力なく中国茶をお願いしました。結果的にはそれが正解でした。というのも江南料理は、お酒よりお茶が合う淡い味付けだったから。
まずは前菜。
湯葉の和え物 38HK$
黒きくらげとキュウリの黒酢和え 68HK$
湯葉ときくらげは完全に私の好みで選びました。どちらもメニューにあったら頼まずにいられない大好物なので、量は多いけれどこのまま無限にいけるのでは…というくらい好みの味。それにしても湯葉、安くないですか? 最高すぎませんか? きくらげの酢加減もソフトでいくらでもいけるかんじ。
そしてやってまいりました、小籠包。
「麻辣黒豚肉小籠包」108HK$
4種あるうちから、マーラー味のこちらを選びました。江南と四川のコラボレーション!? ピンク色の皮は薄くてデリケート。慎重に紙からはがさないと、肉汁が出てしまうのでご注意を。まあちょっとくらい出てもいいと思いますけど。マーラー味の肉汁は「ピリッ」というより「ビリッ」としびれる辛さ。やさしすぎず辛すぎず、さりげなくシビれるかんじがいい。
とはいえ日本の「激辛」はほぼすべて「ピリ辛」というほど辛党の私ですので、辛い系得意でない方はご注意を。ちょっと話がそれますが、香港のマーラー味といえば「麻辣鮮露」という調味料。
教えてもらって以来、味噌汁に鍋物にと、もう何本もリピートしています。日に日に投入する量が増えています…。
前菜、小籠包ときて。
小籠包と並んで、いやもしかしたらそれ以上に楽しみにしていたものが来ました!
それがこの上海蟹の和え麺!!!
「蟹粉拌麺」168HK$。
上海蟹の卵や身をあえた贅沢な和え麺。蟹と汁なし麺が大好きな私としては、食べたくて食べたくてふるえた一品。写真は一人前ですが、2人で十分なほどの量。一回見せてくれたのち、人数分にわけてサーブしてくれます。
とにかくねっとり、からみつくような蟹の旨味。途中で黒酢を足して「味変」するとまた違った世界が広がります…。
香港で蟹みそ麺というと、老舗「天香樓」が有名。時価で、噂によると400HK$以上とも聞いたことがありますが本当でしょうか。それを想像していたので、以外にお手頃に食べられてびっくり。もちろんそれでも日本円で2000円以上とお高いことには違いないけど、天下の蟹みそ麺様をいただくことを思えば。
テーブルセッティングも端正。特にこの朱色が美しいテーブルウェア、見覚えある人もいるはず。わかりました?
というわけでディナーは大成功。次に行く時はもっといろいろ食べたい。龍井茶でスモークした鳩とか、鴨にごはんを詰めたものとか(クリスマスの七面鳥料理しかり…鳥類にごはん詰めたくなるのって世界共通の衝動なんですかね)、特色ある肉料理を狙いたい。
あと初めて香港に行く人に「小籠包の店を教えてほしい」と言われることが多いんですが、そういう時は今度からここをおすすめしようと心に決めました。「なぜ香港で小籠包」なのかは謎ですが「点心=せいろ=小籠包」という発想かな?
それにしてもこういうモダンな創作系地方料理、香港ではすごく増えていますね。
香港ではローカルな食堂やオーセンティックな味にフォーカスしがちだけど、こういうモダン中国料理も体験してみてほしいです。シェフの旺盛な創作意欲が生み出すプレゼンテーションや味に脳を刺激されて、食べ終わる頃には心もお腹も満たされる。
また行けるようにがんばろ! 次は肉!
Old Bailey (オールドベイリー/奥卑利)
2/F JC Contemporary, Tai Kwun - Centre for Heritage and Arts, Old Bailey St, Central