【大好きな中華系フードコートと再会!】
2日目は遠くに出かけることはしなかった。ってまだ2日目なのである。前回まではこちらをご覧くださいませ。
この日泊まっていたトレーダーズホテルはいわゆるKLCC地区にある。
大きな公園を囲んで、Suria KLCCという「中の上」的なショッピングモールと、なんといってもクアラルンプールの象徴・ペトロナスツインタワーが囲んでいる。今回あらためて眺めて思ったけれど、やっぱりいまもペトロナスツインタワーがKLイチの素敵なビルだと思う。2本あるビルのうち、1本は日本のゼネコンが、そしてもう1本は韓国が建てている。マレーシアの高層ビルの工法については大変興味深いので後述したいのだけれど、そしてどちらかが傾いていやしないか…など常に話題をふりまくスポットである。そのツインタワーに並んで公園を囲むようにたくさんのホテルが建っているのもKLCCエリアの特徴だ。
フォーシーズンズホテル クアラルンプールはそのKLCCの「いくつかのホテル」の中でも飛び抜けて新しく、高級なホテルという位置づけである。その高層建築が組み上がっていくさまをトレーダーズホテルから見ていた時期が懐かしい。かといって完成したいまもなんとなく泊まる気にもならず、その威容を今回も公園の向こうに眺めるばかりだ。
ただそのビル併設の高級ショッピングモール(マレーシアはショッピングモール大国だ)の地下にある華僑系フードコートは素晴らしい。味のレベルは私の中ではどストライクな存在で、今回にいたっては週8くらいで行った。
この日はまさにそういう日だった。昼も夜もここの料理を食べた。
昼はフードコートの一角にある麺屋さんで、板麺(パンミー)を食べた。
見た目はちょっとしたゾンビ映画風だが、板状のフェットチーネみたいな麺が中国醤油であえてある。そこに温泉卵がぽとんと載っていて、油で炒めた赤唐辛子のチリをのせながら食べる。煮干しやごぼうの素揚げがいい味を出していると思う。
ここの板麺はおいしい。辛さはそこまででもないのだが、チリがおいしい。自家製のチリはその店の腕の見せどころだと私は思っている。そのことを店の人に言うと「油で炒めてあるからコクがあるんだよ」とのことだった。
結局1週間観察して、この店とその隣のイポー発のチキンライス&ラクサの店がここのフードコートの2大、人気店であることがわかった。
【Grab foodは新たな食の選択肢】
夜はGrabでここの料理を宅配してもらった。その名をGrab foodと言ったはずだ。
ホテルに宅配フードを呼んでいいのか?
…私もちょっとおっかなびっくりだった。それでもここでは一階の受付にGrabの配達員が部屋番号を伝えて宅配物を預けているほどポピュラーになっていて何ひとつ心配はいらなかった。3年前と違うところだ。ただそのあと泊まったホテルでは配車サービスは来られても、フードはNGだったので全てのホテルで大丈夫、というわけでもないらしい(OK派とNG派とどっちが多いんだろう)。
Grab foodはびっくりするほど手数料が安かった。
街の物価は体感上日本と変わらないが、人件費は安いということだろう。思わず「マレーシア インフレ率」で検索してしまった。
【宅配ディナーのおともは持参の酒と音楽と】
ホテルから差し入れでいただいたカールスバーグとともに部屋で夕飯をいただく。お酒はお気に入りのウィスキーと焼酎を法に触れない程度に持参した(マレーシアは1リットル以内であればアルコールの持ち込みは免税である)。ソーダで割れば、量以上に楽しめる。この国で酒は何しろ高額なので、お好きな向きは持ってくるといいかもしれない。
ディナーはその旅のハイライトだ。
それをなぜ宅配にしちゃったかって、フードコートや食堂は、混んでいるときはやっぱりちょっとまだ気を使う、というのが私の正直な感想だったからである。テレビを観ながら、あるいは小さいスピーカー(私は香港で買ったMINISOのスピーカーを愛用)で好きな音楽を流しながら部屋で乾杯。
これもまた新しい旅の楽しみかもしれない。
【夕方ウォーキングで、しつこいくらいに日常を再現】
こう書くと食べてばかりのようだが、夕方にはアザーンを聞きながらKLCCの公園をウォーキングした。日本ではほぼ毎日ウォーキングしている。そのときのウェア(Gapのヨガウェア。素晴らしい)を今回はちゃんと持ってきた。普段の旅なら荷物は最小限だが、入浴剤といいスピーカーといい、今回は日常に必要なものはケチらず持ってきた。それもコロナ禍の旅を楽しむコツかもしれない。
公園の入り口にはTAMAN KLCCと書いてあったので、TAMANは公園という意味なのか。ローマ字表記なので読めはするけれど、そのほとんどは意味がわからない。それがマレー語だ。かと思えば、意味が容易にわかるのもある。BAS(バス)とかRESTRAN(レストラン)とか。難しいようで親しみやすい、そんなマレー語もまた、私にとってはマレーシア旅を楽しむための大事なエッセンスである。
つづく。