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小田原日帰り紀行③ 現代美術家・杉本博司さんの「江之浦測候所」を訪ねて。

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小田原日記も3回目。ついにこの日一番の目的だった『小田原文化財団 江之浦測候所』に向かいます。

 

『小田原文化財団 江之浦測候所』とは何か。

『小田原文化財団 江之浦測候所』というのは現代美術家として知られる杉本博司さんが手掛けた、相模湾の地形や風景を生かした壮大なアートスポットです。

なぜここ小田原に、こんな大規模なアートができたのか。

それを完璧に説明できるのは杉本博司さんだけなんじゃないかと思います。でも大きなコンセプトは、人間の原点に立ち返ること。杉本さんが考えるに、古代人が意識をもって行ったこと、すなわちアートの第一歩は「天空を測候すること」。だから、海が見えて自然がそのまま残るこの地に“測候所”を作れば、アートの原点に立ち戻ることができるのではないか。

そういう考えがあるそうです。

難し…! でも難しいこと抜きに素晴らしいところでした。

 

『小田原文化財団 江之浦測候所』へのアクセス。

そして何より抑えるべきポイントは江之浦測候所は完全予約制。ネットで予約して、その際に送迎バスも予約するのです。

江之浦測候所までは、JR根府川駅から送迎バスで。小田原駅から電車で10分くらいでした。車がある人は車でもOK。駐車場があります。

 

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根府川駅の改札口! かわいい!

青春映画の舞台になりそう(妄想発動)。都心から2時間もかからずにこんないい駅があるなんて。改札口に「かわいい」とかいう形容詞を思ったことがなかった。

 

バスまで時間があったので根府川駅の周りを散策しましたが、見事に何もありません。ヒルトン小田原もこの駅が最寄りで、こちらも送迎バスが出てます。昔泊まったなー。

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海を感じる、年季の入った魚屋さんの植木鉢。

うちのおばあちゃんも植木鉢に卵の殻を入れてましたが、どちらも土にカルシウムを与えるとかそういう狙いなんでしょうか。謎です。

バスが来たので乗り込み、10分くらいで着きました。

 

江之浦測候所を探索。

相模湾が見える、かつてみかん畑だった斜面にギャラリーや茶室、庭園などが点在。それぞれの建築物は、日本のさまざまな時代の建築様式や工法で作られています。実際、夏至冬至など季節によって光や景色が変化する仕掛けも随所に。まさに小田原の自然を観測できます。

 

最初にその時間に予約した人全員で説明を聞いて、そのあとは自由行動。

来ている人は、おしゃれ建築事務所の若手社員か、インテリアショップのバイヤーか、カルチャー誌のエディターかというかんじで、だいたい女の子連れで来てましたね…。

 

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冒険の最初は、杉本博司さんの写真作品が飾られたギャラリーから。このギャラリーがどんな外観をしているかは、遠くから観てまた驚くことになるんですけど。

一本の廊下に杉本博司さんの写真作品が並び、その向こうに相模湾が見えます。

 

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一番向こうはバルコニー。

すごいすがすがしい。磨き上げられたガラスのせいで、ガラスに気づかず突進してしまった…けど無事でした。

 

五感で小田原を感じられるのも 『江之浦測候所』の魅力です。

江之浦測候所の面白いところ、それは相模湾ランドスケープを五感をもって体験できるところ。そういえばなぜ現代美術って参加型、体験型が多いんでしょう。同時代に生きる者同士、無意識に共有している感覚があるから体験すればわかる、ということなのか。

なかでも体験型でわくわくしたのがこちら。

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相模湾に向かって突き出たこの鉄の一本道。

 

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あの重しのようなものが置いてある場所まで歩けます。

怖い? …よりは楽しい!

相模湾の青に吸い込まれるように、どんどん前に歩きたくなる。地形を生かした巧みな設計。あと写真映えするんですよね。やっぱり写真で世界的な評価を得る杉本博司さんらしい創作です。

実際観ても素敵なんだけど、高さとか距離感覚とか、写真に撮ると実際に見る以上にドラマチックになる不思議。

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最終的にぎりっぎりから見た景色!

100年後にここが残っていたら、その時の人はどんなことを思うんだろうな。ここから見る海は同じ色なのか、そして同じように感動して写真を撮るんだろうか。撮るんでしょうね、もっと高性能なやつで。

そういう妄想に浸るのも楽しい。香港でも日本でも私は妄想ばかりしているな。

 

f:id:chihosawa:20200825171809j:plainこの一本道の横には、光学ガラスの能舞台

ここはテレビで歌舞伎役者さんが踊っているところを観たことがある! 

先日、オープンしたばかりの「京都市京セラ美術館」の杉本博司展にも行きましたが、ここで舞踊家の人が踊っている画像が流れていました。

 

季節を楽しめるのも江之浦測候所の魅力です。

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この時は菜の花が超見頃でした。どこまでいっても菜の花! これがまた素晴らしかった。いまはどんな景色なんだろう。

 

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全方位、菜の花。この写真の向こうに見えるのは、最初に写真が並んでいたギャラリーです。外からみてもすごい。

ここまで来て気づいた方いますか? そう、人が少ないんです。

これも杉本博司さんが古代の人口密度を再現するために一度の見学できる人数を決めているんですって。なんという徹底ぶり。

繰り返しますが現在は完全予約制の江之浦測候所。当日券の取り扱いは休止中とのことで、2日前までに要予約! 

最新情報は公式WEBをごらんください。

www.odawara-af.com

小田原シリーズ、過去2回はこちら。安定の食べ系です。

www.girlstraveler.com

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長くなってしまったので、次回に続きます。





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